区分マンション投資を始めて、不動産を所有し始めると、「毎年かかる経費」と「毎月かかる経費」があります。
これらの経費を安く抑えることで、毎月のキャッシュフロー(お金の流れ)に大きな差が出てきます。
あらかじめ決まっている費用が多く、技術介入できる範囲が狭いですが、うまく立ち回ることで、不動産投資を成功に導けるのです。
本ページでは、区分マンション投資における「経費」について、説明していきます。
築年数が新しいほど経費はかからない
区分マンション投資では、毎年かかる経費と毎月かかる経費の他に、入居者が退去した時に経費が発生します。
<毎年かかる経費>
・固定資産税などの税金
・火災保険料
<毎月かかる経費>
・管理費
・修繕積立金
・PMフィー
<入居者が退去したときにかかる経費>
・入れ替え時のリフォーム費用
・テナント募集費
上記の費用は、築年数によって変わってきますが、年間賃料の合計10%~30%程度に収まります。
築年数が新しいほど経費は少なく、新築マンションであれば。10%を切る物件もあります。
反対の見方をすると、建物が古ければ古いほど、修繕などにお金がかかり経費も大きくなるのです。
区分マンション投資で毎年かかる経費
毎年かかる経費は、次の2つになります。
- 固定資産税などの税金
- 火災保険料などの保険料
以下から、順番に説明します。
固定資産税など税金
不動産には、固定資産税と都市計画税という税金がかかります。
2つの税金は、毎年1月1日に、土地や家屋の固定資産を所有している人に対して、市町村が課すものです。
1月1日時点の所有者が1年分の納税義務者となります。
とはいえ、不動産を購入した人が12月31日までの税金を負担すべきですから、契約時において日割り計算して清算するのが一般的な流れです。
まとめると、日割り計算で買い主の負担分を売り主に支払い、売り主がの納税します。
火災保険料
購入した不動産において、入居者が火災を起こすリスクに備えて、火災保険をかけます。
また火災保険の他に、「施設賠償責任保険」をかけておくと、所有している建物の保守・管理について、賠償事故が発生した時に補償されます。
つまり、建物の設備が原因で事故が起こり、オーナーが法律上の賠償責任に問われた際に使用ができます。
<例>
専有部分での給水管破裂などは、物件オーナーの責任になることがあります。
区分マンション投資では、入居者が火災を起こすリスクだけでなく、給水管が破裂することによる水漏れリスクに対して、対応できる保険をかけるのが大切です。
区分マンション投資で毎月かかる経費
毎月かかる費用には、次の項目があります。
- 管理費
- 修繕積立金
- PMフィー
以下から、順番に説明します。
管理費
管理費とは、エレベーターの点検や、共用部分の清掃、管理人の窓口業務など、毎日の日常的な業務にかかる費用のことです。
建物の清掃に対して、水や電気を使用すれば、水道光熱費も別途かかります。
管理費は、築年数が古いほど、費用が高くなる傾向があります。
区分マンションの場合では、「管理費」や「修繕積立金」といった項目で、毎月各部屋のオーナーから徴収し、受託業者に支払います。
最初から金額が決まってしまっているので、工夫によって費用を抑えるのは難しい項目です。
修繕積立金
修繕積立金は、外壁の補修や屋根の防水工事、建物診断など、長期的に建物を維持するのに使われる費用のことです。
区分マンション投資の場合は、「管理費」と同様に、毎月徴収される額が決まっています。
どの程度の費用を支払うか考える必要がないため、区分マンション投資が、不動産投資初心者に向いていると言われる理由の1つです。
同じ築年数でもきれいなマンションと汚いマンションがある理由
同じ築年数なのに、マンションの外観が大きく異なることがあります。
大きな原因の1つは、大規模な修繕や中規模な修繕を、こまめにやっているかどうかによります。
どんな建物でも、時間が経つごとに古くなっていきますから、定期的に修繕が必要です。
とはいえ、マンションによっては、修繕積立金の積立額が不十分な場合があります。
積立額が不十分だと、将来的にマンションの価値が下がる可能性が高いので、事前にチェックしておくのが肝心です。
修繕積立金の積立額は、「重要事項に係る調査報告書」でチェックすることができます。
>>重要事項に係る調査報告書について
PMフィー
PMとは、「プロパティー・マネジメント」の頭文字を取った用語で、賃貸物件の管理のことです。
管理は、不動産会社が行うパターンが多いです。
管理内容は、不動産会社によって異なりますが、基本となる業務内容が次になります。
- 入居者募集条件の設定、募集図面の作成、入居者の募集業務
- 集金業務、滞納催促業務
- 入居者のクレーム処理、設備修繕の窓口と手配
- 契約更新業務、入居者退出時業務
以下から、上記の内容を、細かく紹介していきます。
入居者募集条件の設定、募集図面の作成、入居者の募集業務
入居者を募集するときは、まずはじめに、賃料や敷金、礼金などの条件を決める必要があります。
不動産会社は、市場調査を行い、物件の方位や階段、間取りなどの条件から適切な賃料を設定してオーナーに提案します。
条件が決まったら、募集図面を作成して、不動産情報サイトや自社のホームページなどに掲載して、入居者を募集する段取りを行ってもらえます。
並行して、入居者の審査代行も依頼可能です。
集金業務、滞納催促業務
入居者からの賃料を集金して、そこからPMフィーを引いて、オーナーの口座に振り込みします。
家賃の滞納がある場合は、入居者に対して催促を代行して行ってもらえます。
入居者のクレーム処理、設備修繕の窓口と手配
入居者同士のトラブルに対応してくれます。
物件によっては、想像以上に入居者同士のトラブルは多いものです。
「夜に洗濯機を回す音がうるさい」
「ペットを飼っているのではないか?」
「タバコの煙がベランダから入ってくる」
意外と多いトラブルに対して、調整を行い、クレーム処理してくれます。
またクーラーや給湯器などの部屋の設備が壊れたときは、修繕の窓口となり、修理業者の手配を行います。
契約更新業務、入居者退出時業務
居住用の場合は、契約期間は通常2年となります。
入居から2年経つ数ヶ月前に、入居者に契約更新または退去の意志を確認します。
入居者が更新の意志を示す場合は、更新手続きを、退去の場合には退去手続きと新規入居者の募集対応を行います。
また更新の場合には、賃料の見直しと、連帯保証人の再確認も代行してもらえます。
PMフィーの削減が経費を抑えるのに重要
区分マンション投資の経費削減は、不動産会社に払うPMフィーを抑えることで実現します。
他の経費については、あらかじめ決まっている項目であり、技術介入するのが難しいためです。
PMフィーは、不動産会社によって費用が異なりますが、おおよそ賃料の3%~5%が相場になります。
ただし、「安かろう悪かろう」ではいけませんので、評判の良い不動産会社を徹底比較することで見つけるのが肝心です。
余裕があるなら自主管理もアリ
区分マンションを自主管理することで、コストを大幅に削減することができます。
毎月のPMフィーだけでなく、不定期に生じる経費について、管理会社が業者から紹介料をもらっていることもあるので、自分で発注できると費用を抑えることが可能です。
特に区分マンションの1戸を所有しているケースでは、マンションに管理人が常駐していると、電話で済ませることができます。
ただし時間がないサラリーマン大家の方は、自主管理をするのはお勧めできません。
自主管理がうまくいくコツは、次のものがあります。
- 不動産に何かあったら、すぐに物件まで行ける
- 電気機器などの故障に対して、すぐ対応できる体制を整えている
- 退去があった時に、すぐに募集をお願いできる不動産会社を数社準備している
上記の点をクリアしていれば、自主管理する選択を取るのも良いでしょう。
まとめ
本ページでは、区分マンション投資において、かかってくる経費を解説してきました。
あらかじめ決まっている費用が多いものの、PMフィーのコストを削減することで、キャッシュフローに大きな差がでてきます。
また場所と時間の自由があれば、自主管理をすることで、大幅なコスト削減につなげることが可能です。
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